HotFarm

ブログにお引越ししてます。ほぼ幻水TKアスクロです。

過去に書いてたSS。
アスクロ結婚しててかつ、ラブラブとアスアドがでれでれしてるSSです。

* contrast *

薄いカーテンの生地を越えて進入してくる淡い朝の光が、部屋の景色を徐々に明るくしていた。
先程までは目を凝らしても部屋の色を確認できなかったのに、朝の1分1分は目まぐるしく目の前の光景を変えてくれ、見慣れた景色であってもその変化がなかなかに面白い。
いつもより少し早くに目を覚ましたアスアドは、もうしばらくこの心地よさに身を委ねていようと、ベッドに身を横たえていた。
大きな天井、光を含んだカーテン、ベッドサイドテーブルに無造作に置かれた自らの装束―――。
手持ち無沙汰と言わんばかりに部屋のあちらこちらに目をやるが、気を抜けばすぐ視線は自分の傍らに向けてしまう。
誰も見ていないのだから遠慮することなんてないじゃないか、本人ですら気付いていないのだから―――と、誰に対してでもない言い訳を自らの胸に投げかけ、アスアドは首を動かし自分の隣に眠る存在に目を移した。
“美人は三日で飽きるけど”という言葉を耳にしたことがあるか、それは自分には当てはまらないのではないのだろうかと思う。いつだって目をやれば、例外なく見とれてしまうからだ。

自分の隣で眠るクロデキルドの表情は穏やかなもので、民衆の前に立つ女王としての厳かさも、戦場で立つ剣士としての気迫もここにはない。
すべてから解放されている、という表現が正しくないことは良く知っている。
彼女は女王であることも剣士であることも愛する妹君の良き姉であることも、自身が望むからそうしているだけであって誰に強要されているわけでもない。
何一つ無理をしているわけではないのだ。
あまりに360度に向けて完璧であろうとするものだから、たまには肩の力を抜けばいいのにと思ったこともある。
だけど、それを口にすると彼女はきっと言葉の意味が理解できず首をかしげるだろう。

どの顔もひっくるめて、すべてがクロデキルドという女性なのだ。
そして、自分に対してのみ(と自負したいところだが)見せてくれる表情もひっくるめて、すべてをいとおしいと感じるのだとアスアドはしみじみと思った。

そんなに長い時間、寝顔を眺めていたつもりはないが、朝の光はしっかりと時間の経過を知らせる。
太陽に包まれた世界は徐々に彩度を取り戻し、クロデキルドの色も彩りはじめている。

柔らかくもしなやかで手触りの良い金の糸。
シーツから覗くなめらかで女性特有の丸みを帯びた白い肩に同じ色の華奢な首筋。
形の良いまぶたに付き従うようにそこにある長い睫、桜色の唇。

クロデキルドを形成するひとつひとつのパーツは、アスアドのそれとはまったく違う。
性差ゆえに生じる体の形の違いと、出身地が区分ける肌と髪の色。
性別による差はともかくとして、これほどまでに色が違うのを目の当たりにすると、なるほどアストラシアとジャナムがかつて別々の世界にあった証拠なのかもしれない、と思う。
同じ種族なのにまったく違う存在。だけど、今この瞬間には同じ場所にいる。


クロデキルドの顔がわずかに動き、金色の髪が彼女の頬を撫でる。
その感触がくすぐったいのか、瞼がわずかに震えた。
アスアドは手を伸ばし、頬に触れてくる金糸を耳の後ろへと避けてやる。
もう一度瞼が震え、寝息に混じり吐息が唇から漏れる。
アスアドの指に対する反応ではない。無意識下での反応にも関わらず、アスアドの胸の奥にちりちりとざわめきが生じる。
クロデキルドの眠りの妨げにならないように気を配って触れた。彼女の貴重な安らぎの時間なのだから起こしてはいけない。
だけど―――もっと触れたい。

昨晩あれほどまでに肌を触れ合わせたのにと思う。
やはり自分には“美人は三日で飽きるけれど”は適用されないようだ。
三日どころか、闇夜の刻から太陽が顔を出すまでの数時間ですら耐えられないとは。
これは重症だな―――アスアドは苦笑した。

「……ん」
アスアドの心の葛藤が漏れそれに呼応したのかと思われるほどのタイミングで、クロデキルドの瞼が動き、碧色の目が薄く覗かれる。
「いま、何時……?」
「まだ起床時間まで30分はありますよ」
とろんとして焦点の合わない目を誠実に見つめ、アスアドは眠り姫の質問に答えた。
「そうか……」
寝息交じりに反応を返し、クロデキルドの瞼は再び閉じられた。
そして、朝の光が眩しかったのだろうか。光の差さない場所を求めもぞりと動かした彼女の頭は、シーツにもぐり、アスアドの胸元に収まる。
そこを終着点と定めたようで、それ以降は頭を動かさない。居心地が良いのだろう。

「………………」

あぁ、やはりいとおしい。
ベッドの中にいる彼女は、逐一俺の心を揺さぶる反応ばかりしてくれる―――。
重症だと改めて思うが、自分の傍らで彼女がこんな姿を見せその度に胸いっぱいの幸福を感じられるのであれば、こんな病も悪くないとアスアドは思った。
あと30分間は、この病に身を委ねていよう。

ひょっこりと露出した白い肩に、風邪を引かないようにとシーツをかけてあげ、ついでに自分の腕で抱きかかえる。
もう遠慮をすることなく注いでいる朝の陽光が、褐色と白の対比をくっきりと教えてくれる。


そう、自分と彼女はすべてがこんなにも違う。
だから、いとおしいのだ。





なんていうか……妄想力全開でサーセン。
アスクロの最大ポイントは肌の色違いですよね。
ただ肌が触れ合っているだけでエロいと思うのですよ。たまりませんよハァハァ

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